働く意味が変わった日。            チェーンレストランでの24年目の気づき


はじめに

大学新卒として未経験から始まり、気がつけば24年。
気力も体力も押し通せた20代、責任と成果にがむしゃらだった30代。
でも40代に入り、ふと立ち止まって考えることが増えてきました。

「あと何年働くんだろう?」
「今までやってきたことは、誰のためだったんだろう?」

このブログでは、外食チェーン企業での経験を通して得た気づきを、同じように悩みながら生きる40代の仲間に向けて、言葉にしていこうと思います。


店長になって初めて知った「人は命令で動かない」という現実

20代、入社2年目で私は副店長として働いていました。
当時の私は、とにかく「正しさ」にこだわる人間でした。

  • 働いているんだから、頑張って当然
  • やる気がないなら、帰ればいい
  • ルールに従わないのは甘えだ

そんなふうに、仕事に対して本気だったからこそ、他人にも厳しく接していました。
でも――その「正しさ」は、店長になった瞬間、音を立てて崩れたんです。


ボイコットされた店長時代

入社3年目になり、初めて店長として任されたお店。それは副店長として勤務していたお店での店長就任でした。
「よし、自分の力を試す時が来た」と意気込んでいたのに、現実は違いました。

副店長として働いていた時はあんなに信頼され、仲良く一緒に働いていたスタッフが、誰もついてこない。
挨拶しても、目を合わせてくれない。
やることを伝えても、すぐに忘れてききかえされる。ぎりぎりになってシフトを飛ばされる。

そしてついに、お店の全員から“ボイコット”を受けるという苦い経験をしました。

朝、お店に行くと30人近い全従業員から私宛に意見書が置いてありました。当時は連絡用のノートがあり、そこに数十ページにわたって私の行動や考えに対する反論や、不満、意見がびっしりと書かれていたのです。

よく意見が対立していた従業員だけでなく、一緒にご飯を食べるくらい信頼していた従業員からも書かれていたことがとにかくショックでした。


「正しさ」が人を動かすわけではない

そのとき、痛いほど思い知らされました。

「自分の正しさは、他人にとってはただの押しつけだったんだ」

私は、人を動かすためには
ルールでも、制度でもなく、**「信頼」「共感」**が必要だということを
あのとき初めて知ったんです。

その瞬間から、自分の中の何かが変わりました。「人に厳しくする前に、まずは理解しよう」「正論より、関係性を築こう。そのためにはまず自分自身の行動を振り返って反省しよう」と考えるようになったのです。

辛くて逃げ出したい経験でしたが、あの出来事がなかったら、今の私はいなかったと思います。そして今なら分かります。正しさは人の数だけあるということも。


次回予告

この経験を経て、私は「人を育てるために何が大事なのか」という考えにシフトしていき多くのことを今の職場で学ぶことができました。
次回は、育成担当として若手と向き合う中で気づいた「世代間ギャップ」と「40代の役割」について、書いてみようと思います。

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